「アリとキリギリス」で考える人生|本当にアリさんでいいの?
実は童話からお金について学べることが多いという事実をご存知でしょうか。
「さるかに話」「わらしべ長者」は長期投資について学べます。
今回は、「アリとキリギリス」から学べることを解説します。
人生は1回ですから、キリギリスさんのように今を謳歌するのは大切です。
しかし、老後の安心のためにはアリさんのようなコツコツとした準備も大切です。
人生には、アリさんとキリギリスさんの両方の価値観が大切だと私は考えています。
アリさんの人生とは
「アリとキリギリス」のお話は「時間」の使い方がテーマです。
暖かい時期に遊んでいたキリギリスさん、同じ時期に働いていたアリさん、冬が来た時に生きのびられたのはアリさんでした。
時間を楽しむことに使うのか、将来のために使うのかによって、将来に苦労するのか、楽をできるのか左右するというお話です。時間をお金に置き換えれば、お金をどんどん使って人生を楽しむのがキリギリスさん、倹約して貯蓄するのがアリさんです。
アリの人生を人間に例えると下記のような方です。
「今は必死に働きお金を貯め、老後の人生を謳歌する」
アリさんの生き方はキリギリスさんの生き方よりベターです。私はさまざまな方のお金の相談にアドバイスしています。その経験から、アリさんの生き方は安心だと感じます。
また、アリさんの人生は日本人には合っています。
想像してみてください。「70歳になった時に預金残高が300万円しかない。年金暮らしで毎月赤字。働こうにも70歳ではどこも雇ってくれない。」
ゾッとすると思います。
今できることは、将来のために資産を作っておくことです。
アリさんの生き方は私たちに「準備すること」の大切さを教えてくれます。
キリギリスさんの人生とは
私はキリギリスさんの生き方も参考にしてます。
偉人の言葉にこのような言葉があります。
「明日人生が終わるとしたら、今日をどのように生きますか?」
残りの時間が今日しかないのに、それでも必死に貯蓄をする人はどれだけいるでしょうか。
人生1回ですから、貯蓄だけでなく今を最高に充実させることも大切です。「残り1日」は極論です。しかし、私たちの人生が有限であることは間違いありません。今を充実させるという考え方は大切です。
ちなみに、もし残りの人生が1日しかなければ、私は家族と一緒にいます。
家族と一緒に海にでも出かけると思います。そして、食事でもしながら子供には「アリさんの生き方は忘れるな」と伝えます。
残りの人生が1日だからといって、全財産を散財する必要はありません。
「財産の散財」が最後の1日に必死にやることではありません。
「最後を考える」ことは、お金の有効活用を考える際に有効です。
残りの人生の長さに関わらず、家族で海に行って食事をするために使うお金は、無駄遣いではありません。もちろん、人生最後の日に好きなゲームをやる人、好きなアイドルのコンサートに行く人、それぞれだと思います。
お金や時間は、「使う」ことも大切です。使うのであれば、浪費ではなく自分の価値観に基づいて有意義に使いたいものです。
アリとキリギリスの生き方
モノ消費とコト消費という言葉があります。アリさんの生き方はモノ消費です。
お金を貯めて生きるために必要なモノを買えるように準備しよう、という生き方です。
キリギリスさんの生き方はコト消費です。歌って踊るという体験を重視しています。
友達と歌って踊った経験は、思い出となり一生ものの財産となるでしょう。
人生は、あまり先の準備ばかりを考えても面白くないですし、今にフォーカスしすぎて将来に皺寄せをするのも良くありません。幸せと苦労のアップダウンが激い人生よりも、過去より今が少し幸せで、さらに未来が今より少し幸せな人生を送れば、一生幸せでいられます。コツコツ積み立てる資産形成みたいなものです。
子供たちでいえば、将来のために勉強することは大事ですが、そればかりではなく友達と遊んだりする幸せな時間を過ごすことも大事だということです。楽しい時間を過ごすことで、頑張れば、もっと楽しい人生を築くことができるという希望を持てます。今が疲弊ばかりでは、「人生なんて楽しくない」となってしまいかねません。受験に受かって燃え尽きる人は、人生の楽しみ方を知らないのかもしれません。
最後の日でも貯蓄をしたがる人もいる
ところで、「残りの人生が1日だとしても私は子供たちのために1円でも多くお金を遺したい」という人はいるのではないでしょうか。
ここで注意が必要です。遺産があることでむしろ働くことの大切さを忘れてしまったら、遺族はキリギリスさんの人生にまっしぐらだということです。お金は遺せば良いというものではありません。金融リテラシーがない人が、下手にお金を得ると人生が壊れます。免許がない人がスポーツカーに乗るようなものです。
子供たちにお金のことを教えるためにも、家族のお金の計画はしっかり立てましょう。