ジュニアNISAはいつまで?0歳でも18歳まで非課税で運用可能!

「ジュニアNISAはやるべき?」
「ジュニアNISAが終わってしまうって本当?」
「ジュニアNISAの廃止後は売らなければいけないの?」
「ジュニアNISA、20歳以降はどうすればいいの?
「ジュニアNISAと一般NISAの違いは?」
「ジュニアNISAはいつまで非課税なの?」

ジュニアNISAは今始めれば、5年の非課税期間に関わらず、子供が成人するまで非課税運用ができる制度です。ジュニアNISAは子供が投資について考えるきっかけにもなります。2023年までの限定の制度であり、意外と知られていないジュニアNISAの利点について詳しく解説していきます。

ジュニアNISAの制度を解説

まず基本から説明します。
ジュニアNISAとは2016年からスタートした19歳以下を対象とした運用益が非課税になる投資制度です。

証券会社に子供名義で口座を開け、親が責任者となって株や投資信託で運用します。1口座に毎年80万円ずつの非課税投資枠が付与され、その金額の範囲の投資であれば、最長5年間売却益が非課税になります。

5年間で非課税売却期間が過ぎてしまうので、最大で5年分✖️80万円=400万円分の非課税投資ができる、と理解すると良いでしょう。

20歳以上を対象とした一般のNISAの場合、1年あたりの非課税投資枠は120万円で売却益が非課税になる期間は5年です。つみたてNISAは、非課税投資枠は年40万円で、非課税売却益が非課税になるのは20年です。一般NISAと大きく異なる点は、口座の保有者は子供であるという点です。

つみたてNISAの20年と比較するとジュニアNISAと一般NISAの非課税期間5年というのは短く感じます。実は、ジュニアNISAと一般NISAにはロールオーバーという制度があり、5年間経過してしまった非課税投資枠の資産を6年目に発生する新たな投資枠に引き継ぐことができます。このように1つの投資で非課税投資枠を渡り歩くことをロールオーバーと言います。また、ジュニアNISAで5年運用した資産は、成人になったら一般NISAにロールオーバーすることもできます。

子供の時から長期投資をスタートできるというメリットの高いジュニアNISAの制度ですが、残念ながら2023年末までの期間限定の制度になっています。

私のこれまでの経験上ジュニアNISAは、
「意識が高い人しかやっていない。」
「投資に詳しい人しかやっていない。」
「制度の利点が理解できている人しかやっていない。」
という状況です。
金融庁の調査によると2020年6月時点の一般NISA・つみたてNISAの口座数は、合計で1400万件を超えていますが、ジュニアNISAの口座数は30万件台に留まっています。
この利用者数の少なさが廃止される理由でしょう。

下記に、ジュニアNISAの制度の概要を表にしました。
表の内容はあくまで基本的な内容です。日本は2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げされることもあり、制度の最後の年である2023年だけ利用可能者の年齢が18歳未満に下がります。

 

年齢1月1日時点で未成年の方(2022年4月1日以降18歳が成人
名義子供名義(0歳でも可)
投資をする人親が管理者だが子供と相談しながら投資可能
非課税投資期間5年間
非課税投資期間終了後・2023年1月1日時点で未成年の場合ジュニアNISA口座内で、ロールオーバー可能
・2023年1月1日時点で成人になっていたら、成人用の一般NISA口座にロールオーバー可能
・ジュニアNISAが終わっていても成人になるまで継続管理勘定(注)で非課税のまま継続運用可能
投資上限額1年に1人80万円
5年間毎年付与される投資枠を合計すると400万円
払い出し期限2023年末まで:3月31日現在で18歳の年の前年の年末までは、原則払い出しできない。もし払い出すと課税される。
2024年1月〜:18歳までの払い出し制限がなくなり、いつでも非課税で払い出しが可能になる

ロールオーバー:5年間の非課税投資期間終了後に投資していた資産をそのまま翌年の非課税枠に引き継ぐこと。

継続管理勘定(注):ジュニアNISAの制度終了後(2024年以降)に5年間の非課税投資期間が終わった際、まだ口座名義人が未成年の場合に、その子が成人になるまで非課税投資口座として資金を置いておける口座。継続管理勘定によってジュニアNISA利用者は非課税で長期投資をすることが可能となる。

ジュニアNISA年齢制限について詳しく説明|20歳でも口座開設可能な場合もある

ジュニアNISAは未成年者のための投資用非課税口座です。口座の開設は、1月1日時点で0歳から19歳の方です。つまり、誕生日が1月3日の方で、その年の1月3日に20歳になった方は、1月1日時点では19歳なので口座開設ができます。

ちなみに、20歳ならNISA口座かつみたてNISAの対象なのでは?と思われる方もいると思います。実はNISA口座の20歳の基準も1月1日時点です。つまりNISA口座は20歳から、と言われていますが実際は21歳になる年が口座開設できる年になります。4月〜翌3月締めの学年基準でもないし、誕生日基準でもないことに注意しましょう。

そして、ジュニアNISAの20歳まで、NISA or つみたてNISAの「20歳基準」は2023年1月1日から「18歳基準」に変わります。
これは、2022年4月1日から成人年齢が18歳になるからです。
2023年1月〜12月に限り、ジュニアNISAを利用できる方は、1月1日時点で17歳の方までです。高校3年生で2023年4〜12月で18歳になる方たちは、2023年1月1日時点では17歳だったわけですので、ジュニアNISAの対象です。
一方で、2023年1月1日時点で18歳である大学1年生(例 2月生まれ)の方はジュニアNISA口座は利用できず、一般NISA口座の対象です。

そして2024年1月1日時点で18歳になっている高校3年生は成人用のNISA口座か、つみたてNISA口座が開けるようになります。
繰り返しになりますが、ジュニアNISA口座で保有していた株や投資信託を、非課税期間の5年以内に慌てて売る必要はありません。
ジュニアNISA口座で保有していた投資商品は、非課税期間5年の終了時に限り成人用の一般NISA口座に移すことができます。先述したロールオーバーです。これを忘れてはいけません。

非課税投資期間は5年だが、長期投資が可能

ジュニアNISAの非課税期間は5年です。ゆえに2023年中にスタートした資金に関しては、2027年の年末までが非課税期間になります。2023年の制度終了で非課税期間まで切れてしまうわけではありません。

とはいえ、「子供が1歳だからジュニアNISAはどうせ終わってしまうし、やっても意味がないのでは?」と思われている方もいるでしょう。
そんなことはありません。むしろ、お子様名義で非課税口座を作れる今が最後のチャンスです。
ジュニアNISAの非課税投資期間は5年ですが、継続管理勘定へロールオーバーで繋いでいくことで非課税口座のまま長期投資をすることができます。

先程、ジュニアNISA終了時に成人用のNISA口座に資産を引き継ぐロールオーバーについて説明しました。もし、すでにジュニアNISAを利用していて2022年までに5年の非課税期間が一旦切れる方は、ジュニアNISA口座内で、次の5年の非課税投資枠に引き継ぐ(ロールオーバー)をすることができます。

そして、さらにそこから5年が経過した場合、もうジュニアNISAの制度は終了していますので、子供が成人(2022年4月1日以降は1月1日時点で18歳以上)であれば、一般NISA口座にロールオーバーできます。

5年経過後でも子供が成人ではない場合は「継続管理勘定」という非課税口座で子供が成人するまで非課税運用を継続することができます。

例 
  1. 2017年にジュニアNISAスタート。  子1歳
  2. 2022年のジュニアNISA非課税投資枠にロールオーバー。  子6歳
  3. 2027年に継続管理勘定にロールオーバー。  子11歳
  4. 2034年に継続管理勘定の銘柄を売り、つみたてNISAで買い直すか、その時にさらに新しいNISA制度があればその口座に資金を移す。  子18歳
    ※現NISAは新NISA制度に変わり2028年に終了予定ですが、つみたてNISAは2042年までやっています。また、NISA制度は延長されることも期待できます。

 

このようにすることで、ジュニアNISAで運用を開始した資金は、非課税のまま運用し続けることができます。

もし、NISA制度が当面の期限2028年で終了してしまった場合、成人用NISAに引き継ぐことはできませんので、諦めて一旦売却し、課税口座かつみたてNISAで銘柄を選び、買い直すしかないでしょう。少なくとも子供が成人するまでは非課税運用ができる点は抑えておきましょう。

非課税で運用するとこれだけ税金が違う

「非課税でも課税でもどちらでも構わない。」と思われている方もいますが、実は課税か非課税かで運用成果は大きく異なります。

例えば、運用している投信の平均年間収益率が5%だとします。
その場合、80万円の投資資産は20年後に212万円になっています。
もし課税口座の場合、引かれる税金は現行の制度のままだとすると(利益の20.315%)212万円ー80万円=132万円、132万円✖️20.315%=26万円となります。

個別の株式投資だと、10年もあれば80万円が800万円になっていることも珍しくありません。その場合、720万円もの利益になりますので、税金は144万円に上ります。
ジュニアNISAからNISA口座に引き継ぎ、ひらすら非課税口座で運用を続ければ、この税金が取られません。非課税か課税かで大きな手取り額の違いが生じます。

ジュニアNISAならではのおすすめの投資方法とは

ジュニアNISAの制度はわかったが、実際の資産運用の仕方がわからない、という方も少なくないのではないでしょうか。
資産運用を成功に導く方法は、資産分散、時間分散、長期投資です。
資産分散は、株や債券、国内や海外といったようにさまざまな投資対象に分散することです。

時間分散は、投資タイミングを分けることで高い時と安い時の両方で投資をすることです。長期投資は、10年〜30年など長期で投資をすることです。
この3原則を守ると、投資が成功する可能性が高くなります。

ただ、ジュニアNISAの欠点は、積立投資を長期で行うことができないことです。
2024年以降は追加投資ができないので、長期の積み立て投資は、課税の未成年口座など、別枠でやっておきましょう。

積み立て投資ができないことはさほど問題になりません。
年間80万円という枠も決まっているので、「2024年以降は長期で放置する。子供が大きくなった時のお楽しみとして投資しよう。」と割り切り、タイムカプセル的な考えを持って投資するのも手です。

教育資金目的にしてしまうと高いリスクが取れない上、長期投資も叶いません。もちろん、教育資金は、別途安全性の高い方法で確保すると良いでしょう。

タイムカプセルのような投資とは?

タイムカプセル的な投資とはいっても個別の株式で運用するか投資信託で運用するかは考えなくてはいけません。もちろん分散で両方投資することもできます。

投資対象を選ぶ際には「この銘柄なら長期で信じて持つことができる。」という銘柄を選ぶことが大切です。
また、せっかくのジュニアNISAです。お子様の意見を大事にして銘柄を選びましょう。
個別の株であれば、身近な銘柄も見つかるのではないでしょうか。スマホアプリの会社やスポーツ系の銘柄などいろいろと探してみましょう。

ところで、任天堂やオリエンタルランドは子供にとって身近な銘柄ですが、どちらも最低投資金額が大きく、ジュニアNISAの投資枠80万円を超えてしまうので、ジュニアNISA口座で投資することはできません。

投資信託であれば、過去の実績が見えるものだと子供も関心をもって考えられるかもしれません。投資信託ライブラリーやモーニングスターのウェブサイトを見て、投資信託を探してみましょう。

もちろん、子供と一緒に銘柄を探すとは行っても、未成年の時は親権者であるあなたが責任者になります。お子様と二人三脚と投資を実践していきましょう。
このように若い時から投資をしていくことは、経済に関心が持てますし、資産を増やす仕組みが体験できるので、大変有意義です。
想像してみてください。大人になってからも投資の話題で大きくなった子供たちと楽しくお話をしている情景を。

どこの証券会社がお勧め?

ジュニアNISAの口座は、1人1つの銀行or証券会社でしか開けられません。SBI証券でジュニアNISA口座を開けたら、楽天証券では開けることはできません。もちろん、他の銀行で開けることもできません。

そして、ジュニアNISA口座の資産は他の証券会社のジュニアNISA口座に移管することができません。
この記事を読んでいる方はまだ口座開設していない方も多いでしょうから、SBI証券か楽天証券で開けておくことをお勧めします。

SBI証券は、ネット証券業界トップということもあり、商品ラインナップや情報が豊富です。ただ、ややプロ向き感があって文字が細かい、という印象を受けるかもしれません。カメラやパソコンと同じで、性能が高いものは使い慣れれば、とても便利になります。できればSBI証券を使いこなせるようになると良いでしょう。

楽天証券は、SBI証券と比較するとウェブサイトが見やすく、ユーザーフレンドリーだと言えます。コラムもわかりやすいものが多く、勉強にも良いでしょう。しかし、SBI証券に慣れている方が使うと、「クリックしないと知りたい情報が出てこない。」という風に感じる時があります。他の証券会社のウェブサイトでも言えることですが、スッキリしていて見やすいサイトほど、使ってみると不便、ということが良くおきます。
投資をするのであれば、文字だらけのウェブサイトに慣れてしまいましょう。

ちなみに、楽天証券に口座開設をするとスマホで楽天iSPEEDというアプリが使えるようになります。このアプリには、本来有料の株式情報(会社四季報)や日本経済新聞が無料で読める日経テレコンが搭載されているので、月にして5,000円相当分以上の価値を無料で手に入れることができます。

ジュニアNISA口座はSBI証券を選んだとしても、楽天証券にも特定口座(課税口座)を開けておくのはお勧めです。資産運用はジュニアNISAだけではないのですから。

余談ですが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の口座は、上記2口座と比較すると手数料が高めですが、レポートが充実しています。あなたに金融リテラシーがあり、証券マンと対等にやり取りできるのであれば、新規公開株の申し込みの機会も広がりますので、検討の余地はあります。

ジュニアNISAの申し込み方法

ジュニアNISAに申し込むためには、まず親であるあなたがその証券会社に口座開設をする必要があります。以下に手順を記載します。

  1. 親がまず目的の証券会社に口座開設します。ここで親も一般NISAかつみたてNISA口座を開けてしまいましょう。課税口座は 特定口座を開けて下さい。
  2. 子供がジュニアNISA口座を開設します。この時未成年者用の課税口座を同時に開設することになります。

準備しておくもの

  • 子供のマイナンバー通知カードor個人番号カードorマイナンバーの記載がある住民票の写し
  • 親の運転免許証や個人番号カードなどの写真付き本人確認書類
  • 親子関係が証明できる書類(家族全員の名前が載った住民票の写し、戸籍謄本など)

大抵の証券会社ではこれらの書類が必要になります。
SBI証券や楽天証券などのネット証券であれば、ネット手続きと必要な場合のみ郵送で手続きが完了します。わざわざ銀行の店頭に出向く必要はありません。

最後に

ここで1つ例をあげます。2002年〜2020年の18年でユニクロの株価は20倍になっています。

私が学生の頃、ユニクロが原宿に登場した時に、渋谷はユニクロの袋を持った人で溢れていました。その時に将来を見越してユニクロの株を買う、という考えは私には全くありませんでした。

若者は流行りに関しては敏感です。投資のことを教えておけば、あなたのお子様は未来のユニクロになるような会社を見抜けるかもしれません。そのような企業を親子で一緒に探してみましょう。それが最高の金融教育になります。親御様が投資初心者ということでも気にしないでください。これから学べば問題ありません。さあ、小さな一歩を踏み出しましょう。

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株式会社ZN 代表取締役
子供の生き抜く力を育む お金の体験型教室  FP君代表
お金の教育プランナー
遠藤功二
 日本FP協会認定 CFP®︎
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)
東京都大田区山王2-5-6 SANNO BRIDGE
電話:080-7953-7514
koji.endo@fpkun.comv
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