投資教育と数学の理論|長期、積立、分散に含まれている理論とは?素人でもわかるように簡単解説
このコラムでは投資教育についてお話します。
投資の理論は数学に基づいています。
今回は、長期投資、積立投資、分散投資の手法に含まれる数学の原理を解説します。
長期投資は複利
長期投資が推奨される最大の理由が複利です。
複利は得られた利益を新しい投資元本に入れて投資する方法です。
例えば年5%のリターンを得られる投資を、
20年間複利で継続すると、元本は2.6倍になります。
1.05×1.05×1.05×….(20回かけると)=2.6
5%の20年分と考えると、
5%+5%+5%+(20回足すと)=100%、
つまり2倍にしかならないと考える人が多いです。
得られた利益をただ足していくだけの計算方法を「単利」といいます。
複利は倍々ゲーム、
単利は積み上げゲーム。
同じ投資チャンス、同じ環境、同じお金をもっていても、知識で投資結果に差がつくということを子供たちにも教えてあげてください。
積立投資は平均の原理を利用している。
次に積立投資の話をします。
積立投資とは、同じ金額で同じ投資対象を同じ間隔で買っていく方法です。例えば、毎月1万円ずつ、日経平均株価連動型の投資信託を買う、というような形です。
積立投資は価格が安い時に多くの数量が買え、高い時には少しの数量しか買えないという効果があります。これをドルコスト平均法といいます。
本当は、「安いときに大量に買いたい」というのが投資家の本音です。
しかし、今の価格が高いのか安いのかは、未来が見える力がない限りはわかりません。
だから高い時と安い時に満遍なく投資できる積立投資が合理的なのです。
安い時に多くの仕入れができるので、相場が下がっている時には、平均の取得単価はどんどん下がっていきます。
例えば、100円で3回に分けて下記のような積立投資をしたとします。
100÷100=1
100÷50=2
100÷25=4
3回の投資金額は同じ100円ですが、価格が100円、50円、25円と落ちているということです。
25円の時に買える数量は100円の時の4倍です。
上記3回の買い物の平均取得単価は、
300÷7=42.8円です。
相場が最初の100円の半値である50円に戻るだけでも儲かるということです。
分散投資は分数で衝撃を抑える
分散投資とは、さまざまな投資対象に分けて投資をすることです。
株であれば日本株、アメリカ株、ヨーロッパ株、などなど
さらに株だけでなく、債券、不動産投資信託、金(ゴールド)、暗号資産などの複数の資産クラスに分散すると、資産が吹っ飛ぶことを防ぐことができます。
どれか1つの資産クラスが強烈に下がっても、他の資産クラスが下がらなければ、損はするものの、資産の大半を失うようなことは防げる、ということです。
例えば、株と債券を50:50で持っていたとします。
ある年に恐慌が起き、株の価格が2分の1に下がったとします。
債券は4%だけ下がったとします。
100ある資産をすべて株だけでもっていたら、資産は50になります。
しかし上記の50:50の分散をしていると、
50:50は25:48になるだけなので、全部で73の資産が残ります。
これでも損をしているわけですが、株だけで持つよりだいぶマシです。
分散投資は相場変動を分数の原理で和らげる効果があります。
ただし、変動を抑えると利益を得る機会も同時に抑えてしまっている点は注意が必要です。
教育資金などを投資で貯めている場合、ある程度儲かった段階で少し現金化して相場の急落をまともに受けないないようにすると、いざ必要な時に資産が半減してしまう事態を回避できます。
また、投資資産がどんどん値上がりして売ろうかどうか迷った時は、半分だけ売る、という判断をするだけでも、暴落の衝撃を抑えることができるということです。
いざ投資を始めてみると、冷静な判断をすることは難しくなります。
だから理論は繰り返し思い返すようにしましょう。
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