ジュニアNISAという言葉を聞くたびに「気になるけどなにもやってない」「口座開設したけど投資していない」という方は多いのではでないでしょうか。

ジュニアNISAは2023年までの期間限定の制度です。
子育て世代が教育資金などのために子供名義で非課税投資ができる制度ということで、投資教育にも繋がる素晴らしい制度です。

このコラムではジュニアNISAの制度について解説します。

ジュニアNISAの制度

ジュニアNISAの制度内容を簡単に解説します。
ジュニアNISAの制度のポイントは以下の通りです。

• 子供名義で開設する投資口座
• 1月1日時点で未成年の方が対象
• 原則投資判断は親権者が行う
• 年間の非課税投資枠は80万円
• 非課税期間は5年間
• ただし5年後に継続管理勘定で18歳まで非課税投資の継続ができる
• ジュニアNISA口座に入れたお金は子供が18歳になるまで出せない
• 上記払い出し制限は2024年以降なくなる

ジュニアNISAは制度改正されることで改善される

ジュニアNISAははっきり言って不人気の制度でした。その理由は以下の通りです。

• 口座開設が面倒
• 子供が18歳になるまでお金が出せない
• 証券会社のシステムが成人向けNISAより不便

口座開設が面倒ではなくなった？

ジュニアNISAの口座開設に限らず、金融機関に口座を作るのは面倒だと感じる方は多いでしょう。
しかし、最近は本人確認書類はスマホでアップロードすれば良いですし、マイナンバーカードによって本人確認ができるため証券口座の開設は大分マシになりました。
しかし、ジュニアNISAの場合の本人確認資料は、子供の分と大人の分を揃えなければならない上、、さらに親子関係がわかる住民票なども用意しなければならず、このあたりが面倒で、資料請求をしたものの、返送をせず放置してしまっている人がいるようです。本人確認資料は、アップロードだけでなく、コピーの提出が必要な金融機関が多く、ジュニアNISAの手続きだけ時代に取り残されています。

子供が18歳になるまでお金が出せない規定はなくなる？

18歳まで払い出しができない規定がジュニアNISAの最も不便な要素でした。「子供のためにジュニアNISAをやっておきたかったけど、18歳まで出せないなら無理だ」と考える方は多いです。
正確にはやむを得ない場合は、18歳未満でも引き出すことができるのですが、その場合は利益に課税されてしまうので、ジュニアNISAをやっていた意味がなくなってしまうということです。

ところが令和2年の税制改正でこの引き出し制限が将来撤廃されることが決まりました。ジュニアNISA制度が終了する2024年以降は18歳ルールか解除され、いつでも非課税で引き出しができるようになります。ただし、引き出す場合はジュニアNISA口座は廃止されます。売却しない分の資金は課税口座で継続保有し、必要な分だけ換金する、という手段は制度上とれるはずですが、各証券会社のシステムが対応してくれるかはまだわかりません。

少なくともジュニアNISA口座に出し入れができるようになるわけではありません。

また、子供の教育資金は手をつけないのが原則です。ましてや子供名義のジュニアNISA口座の資金はもう子供のお金です。勝手に親が自分のために使って良い資金ではないことは認識しておきましょう。

証券会社のシステムが成人向けNISAより不便

ジュニアNISAの証券口座は、実は大人用のNISA口座より不便な点があります。例えば、子供名義の銀行からしか積立資金が引き落とせない、などです。（証券会社によって規定が異なります）
ジュニアNISA口座内で積立をするのであれば下記の２択が主な方法になります。

１、ジュニアNISA口座に当面の積立分の資金をまとめて入金しておく。
２、親の銀行口座→子供の銀行口座→子供の未成年口座（ジュニアNISA口座）という資金の流れを自動振り込み設定で作っておく（金額が小さいと手数料分損が嵩む）

ジュニアNISA口座内での積立は2023年までしかできません。その後も積立を続けたいのであれば未成年口座内の特定口座（課税口座）などで行う必要があります。

このような感じで、ジュニアNISAは投資の正攻法である「積立」に不向きであるということもあり、一括投資で検討する方は少なくありません。

一括投資の場合は長期で成長が期待できる株式や投資信託を選んで子供が18歳になるまで寝かしておくというスタイルです。
子供が大きくなった時に、どれだけ資産が増えたかを楽しみに投資してみるとワクワクするのではないでしょうか。

参考文献
https://www.jsda.or.jp/nisa/jr/qa/